否定的な口コミを受けて
- 有希子 戸部
- 1月4日
- 読了時間: 3分
当院には、ありがたいことに温かいお言葉をいただくこともあれば、厳しいご意見を頂戴することもあります。
医療機関である以上、さまざまな受け止め方があるのは当然のことだと理解しています。 開院して、やっと2ヶ月が過ぎたというところで、開業したての混乱により、多くの患者さんにご迷惑をおかけしてしまったこともあると思います。 様々な改善すべき点があることも認識しており、ご指摘は大切に受け止めて、改善のプランを立てたいと思います。
一方で、以前から感じていることがあります。
それは、「Googleの口コミ」という仕組みが、医療、とくに精神科医療とどこまで相性が良いのだろうか、という点です。
医療は「体験型サービス」ではありません
飲食店や美容院であれば、
「待ち時間」「接客」「雰囲気」といった要素が評価の中心になるのは自然なことだと思いますし、
それに見合った価格設定を行うことができる場所でもあります。
しかし、保険診療における医療は、料金が公的に定められています。
そのため、理想的なサービスを提供したいと考えても、現実的には限界があります。
診察室は、
ゆったりとしたサービスを提供する場所というよりも、
患者さんの状態をできるだけ短時間で正確に見立てること
治療が必要な病態があれば、適切な治療方針を立て、説明すること
治療対象となる症状がなければ、無理な医療介入を行わないこと
を、常に緊張感のある判断の中で行う場所になっている、というのが現実です。
期待に応じきれない悲しみ
そのため、必ずしも
受診すれば
「元気になる言葉をもらえる」
「元気になる薬を処方してもらえる」
「人生の正解となるアドバイスをもらえる」
という結果になるとは限りません。
時には、受け止めづらい現実をお伝えしなければならないこともあります。
また、病気そのものとは直接関係のない人生相談については、医学の立場から明確なお答えができないこともあります。
そうしたやりとりの中で、
「元気にしてもらえると思って受診したのに違った」
と感じられる方がいらっしゃるのも、無理のないことだと思います。
ただ、その期待に応えること自体が、医学の枠組みの中では難しい場合も少なくありません。
私自身の臨床姿勢について
もちろん、
必要以上のことは語らず、その場を穏便に収める、という臨床スタイルを取られる先生方もいらっしゃいます。
それは一つの大切な在り方だと思います。
ただ、私自身は、
将来的に大きな問題につながる可能性が高い構造的な歪みや背景が見えているにもかかわらず、
それに触れず、その場しのぎの対応をすることが、どうしてもできません。
短期的には受け入れられなくても、
長い目で見て必要だと判断したことは、できる限り誠実にお伝えしたいと考えています。
最後に
医療は、「評価されるため」に行うものではなく、
「安全で、誠実であること」を最優先に行うものだと、私は考えています。
その結果として、
すべての方にご満足いただけないことがあるのも、残念ですが現実なのだと思います。
それでも、
当院を選び、信頼して足を運んでくださる患者さんのために、
これからも一つひとつの診療を丁寧に積み重ねていきたいと思っています。


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