「考え方のクセ」に気づくと、こころが少しラクになる ── 認知行動療法(CBT)のはなし
- 5 日前
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こんにちは。こころのクリニック桜が丘です。
先日、通院中の方から「アプリの『考え方のクセに気づくワーク』、すごく役に立ちました」というお声をいただきました。せっかくなので今日は連載の順番を少し入れ替えて、この機能と、その土台になっている「認知行動療法(CBT)」について、やさしくご紹介します。
■ 認知行動療法(CBT)ってなに?
認知行動療法は、「考え方」と「行動」に注目して、つらい気持ちをやわらげていく心理療法です。世界中で効果が確かめられている、エビデンスにもとづいた方法で、うつ・不安・不眠など幅広い悩みに使われています。
いちばん大事な考え方は、これです。
私たちの気分は、「できごと」そのものではなく、それを「どう解釈したか」で決まる。
同じ出来事でも、受け取り方しだいで、気持ちは大きく変わります。CBTは、その「受け取り方のクセ」に気づいて、もう少しラクな見方を一緒に探していきます。
■ 「できごと→考え→気分→行動」の輪
たとえば、こんな場面を思い浮かべてみてください。
できごと:友だちにLINEを送ったのに、既読がつかない
自動思考(頭にパッと浮かぶ考え):「嫌われたのかもしれない」
気分:不安、悲しい
行動:その友だちを避けるようになる
この「自動思考」は、その名のとおり“自動的に”浮かんでくるので、ふだんは自分でも気づきにくいものです。でも気づかないまま放っておくと、気分が沈み、行動が縮こまり、また落ち込む……という輪がぐるぐる回ってしまいます。
この輪のどこかに「あれ、本当にそうかな?」とすき間を入れることが、CBTの第一歩です。
■ よくある「考え方のクセ」
つらいときに出やすい考え方のパターンを、いくつかご紹介します。「あ、自分これかも」と思うものがあれば、それに気づけただけで前進です。
白黒思考:完璧か最悪かの2択で考える(「90点。100点じゃないからダメだ」)
読心術:根拠なく相手の気持ちを決めつける(「あの人は私をバカだと思っているに違いない」)
先読みの誤り:最悪の結果を予測して不安になる(「失敗したらきっとクビだ」)
べき思考:「〜すべき」と自分や人にルールを押しつける
心のフィルター:9人にほめられても、1人の批判だけが気になる
ほかにも、レッテル貼り・過度の一般化・感情的推論など、アプリでは全部で10種類を例つきで紹介しています。
■ アプリの「考え方のクセに気づくワーク」
当院の「こころのアプリ」には、このCBTを一人で練習できる機能が入っています。中身は4つ。
学ぶ … CBTの考え方と、10種類の「考え方のクセ」を読みもので
記録(コラム法) … 実際の出来事を書きながら、考えを整理する
ふりかえり … 記録がたまると、自分の気分の変化や出やすいクセがグラフで見える
練習 … さまざまな場面を題材に、考え方のクセに気づく練習問題
中心になるのが2の「コラム法」です。やり方はシンプルで、画面の問いに沿って書いていくだけ。
できごと → そのとき浮かんだ考え → 今の気分の強さ → その考えを支持する事実/反する事実 → それをふまえたバランスのよい考え方 → もう一度、気分の強さ
最後に気分の強さをもう一度はかると、「書く前」と「書いたあと」で、自分の気持ちがどれだけ動いたかが見えます。これが、なかなか効くのです。
■ コツは「親友だったら、なんて言う?」
バランスのよい考え方が思いつかないとき、おすすめの問いかけがあります。
「もし大切な親友が同じ状況だったら、自分はなんて声をかけるだろう?」
人には優しい言葉をかけられても、自分にはきびしくなりがちです。その“親友にかける言葉”を、自分にも向けてあげる。それだけで、ずいぶん見え方が変わります。
■ 大切にしてほしいこと
CBTは「無理にポジティブに考える」ことではありません。「つらい考え=間違い」でもありません。目指すのは、「別の見方もあるかも」と思える、心のすき間をつくることです。
完璧に考え方を変える必要はありません。クセに「気づく」だけでも、気分はふっと軽くなることがあります。
そして、つらさが強いときは、一人で抱え込まず診察でお話しください。アプリの記録画面をそのまま見せていただければ、ふだんの考え方のクセが主治医にも伝わり、診察のヒントになります。アプリはあくまで治療を支える“道具”。
主役は、いつもあなた自身です。
「考え方のクセに気づくワーク」はこちらから。 https://apps.mental-clinic-sakuragaoka.com/




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